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●桑原茂夫 個人誌「月あかり」情報

第7号発行:

◆【まえがき】から

 第6号以降、手を拱いていたわけではなく、連載「オトーサン」にこのあたりで、オトーサンを呆然とさせた「コトバ」に関する注をつけておきたかったのと、『今昔物語』を下敷きにして、自分で「鬼のものがたり」を書くべきときがきたと、すんなり思い込んでしまったのです。これはそれぞれバラバラのことではなく、「まつろわぬ者」のありようを探ってみたかったということです。

 いま「国家」は、北の国をクローズアップしながら、天皇の退位・即位のまつりやオリンピックで一気に巨大な流れを作り出そうと、わかりやすい線を引いています。それならいっそ「まつろわぬ者」の絵を描いていこうというわけです。

                                                                                

◆【あとがき】から

 ふと、永井荷風さんのことが気になり、あらためて『断腸亭日乗』を追ってみた。日米開戦前、つまり日中戦争が泥沼状態に陥っていたころの荷風さんは、軍部とそれに追随して恥じない面々に対して、心底怒り、容赦ない批判の矢を放っていた――この頃は夕餉の折にも夕刊新聞を手にする心なくなりたり。時局迎合の記事論説読むに堪えず。文壇劇界の傾向に至つてはむしろ憐憫に堪ざるものあればなり(1940年10月15日)

                                                                                

◆【CONTETS】

●巻頭特集 連載⑥オトーサン 呆然オトーサンのための注記

反戦運動に呆然オトーサン、びっくり/コトバなんかおぼえるんじゃなかった!/やったぜ!戦争だ!センソウだ!/なにしろこれは侵すべからざるミコトノリなのである/汝ら「臣民」よ!すべては「朕」のために!/朕は汝等軍人の大元帥なるぞ!

●新連載 鬼ものがたり――今は昔の男と女

子を食らわんとする老婆編

●GALLERY

画家・亀井三千代さんの官能的な作品

「フリンジ16-1」墨・岩絵の具・膠・和紙(2016年)

頒価は各号500円ですが、5号分(5冊分)ですと2000円に割引します。

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