●桑原茂夫 個人誌「月あかり」情報
第1号発行:
まずは皆さまに目に見える形で、と、これまでに4巻(各巻1-8号)刊行してきた
個人誌「月あかり」の第5巻を発刊しました。
第5巻の巻タイトルは「なにが粋かよ」です。
そして第4巻まではモノクロ8ページだったのを第5巻ではカラー16ページと大奮発です。
以下、その第1ページの文章です。
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久しぶりの「月あかり」です。
なにが粋かよ 気がつく頃は
みんな手遅れ 吹きざらし――
気に入っているフレーズなんで、勢いあまって巻タイトルにしましたが、手遅れを自覚しつつも、まだまだ、とことんとことん! そうです。やらなきゃなりませぬ。もう黙っていられません! 大切なひとが次々に彼岸へ旅立っていくとともに、そのときを待っていたかのように、義理人情どころか恥も外聞もなく嘘八百でのさばってくるヤカラやコトバに、一刺しも二刺しも鋭いヤイバを入れてやらなければ、と気が逸りまして――
しかしまあ、ここは落ち着いて、淡々と書くべきことを書く、という当たり前の覚悟で、じわじわ進めていこうと思っています。よろしくお目通しいただきとう存じます。
さて内容ですが――
大特集は「あらためて井上洋介さんの凄みをあじわう」です。
特に、あまり知られていなかった、というか、見る機会もあまりなかった、井上洋介さんの強烈無比のタブローについて言及しています。種村季弘さんも登場します。
こんな一節を書き留めました。
――神田の寿司屋で話が戦後のことになり、食べ物が話題になったときのことだそうだが、「種村さんは、ふいに、『俺は生ゴミを食べていた』とさらりとニコリともしないで云った……ああいいな、こんなに単純化して、飢えのカタマリで、手でギュッと搾るような言葉。只今、胃の腑に寿司が入っているのに、私はよろめいた……種村さんのこの言葉は、私はとても好きだ」
これは凄い。生ゴミを食べていたと話す種村さんも凄いが、それに応じて「200号の大画面に生ゴミの山を描いてみたい」と書き留める井上さんも凄い――
もちろん、カラーですから、井上洋介さんのタブローから、気に入った作品を掲載しています。
贅沢です。
そして主として若い読者のために、詳しい注記も付けてあります。
大特集に続いてはコラムとして次の3本を書きました。
①「この世界の片隅に」の音に揺さぶられた
②葛西聖司『僕らの歌舞伎』を聞く!
③山田宏一さんのヒッチコックが熱い!
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第1号はしばらく在庫切れ状態でしたが、
再度増刷しましたので、興味のある方はどうぞ、お申込みください。
頒価は各号500円ですが、5号分(5冊分)ですと2000円に割引します。
送料および郵便振替での手数料はこちらで負担します。
下記フォーマットに、ご希望の号数を明記し、
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